続続続続 Tさんのこと 理由附記 重加算税賦課決定通知書

税務調査
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Tさんのこと 理由附記 重加算税賦課決定通知書

税務調査を受けた結果

重加算税を賦課されるという不利益処分を受けると、その賦課決定通知書に処分の理由を記載して送付されることになります。

これは、納税者へ送付する文書ですから、具体的に記載することが求められており、書き方に不備があると、不服申し立てや裁判で、処分そのものが効力を失います。

Tさんの

遡及された4事業年度分は、重加算税が賦課されているので、それぞれの年度ごとに、重加算税を賦課した理由が書かれているはずです。

受け取ってから3ヶ月以内であれば、不服申し立ての制度があります。

理由附記の制度

2011(平成23)年税制改正大綱により白色申告者への更正についても、2013(平成25)年1月以降「理由附記」をする制度が始まり、2013年1月1日以降の加算税賦課決定通知書に記載することになりました。

「処分の理由」という欄に記載されます。

条文の整理

個人事業青色申告者

(青色申告書に係る更正)
第百五十五条 省略
2 税務署長は、居住者の提出した青色申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額若しくは山林所得金額又は純損失の金額の更正(前項第一号に規定する事由のみに基因するものを除く。)をする場合には、その更正に係る国税通則法第二十八条第二項(更正通知書の記載事項)に規定する更正通知書にその更正の理由を附記しなければならない。

従来は、青色申告者の更正だけに理由附記をするだけでした。

法人事業者

(青色申告書等に係る更正)
第百三十条 省略
2 税務署長は、内国法人の提出した青色申告書又は連結確定申告書等に係る法人税の課税標準又は欠損金額若しくは連結欠損金額の更正をする場合には、その更正に係る国税通則法第二十八条第二項(更正通知書の記載事項)に規定する更正通知書にその更正の理由を付記しなければならない。

法人も同様です。

国税通則法と行政手続法

(行政手続法の適用除外)
第七十四条の十四 行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三条第一項(適用除外)に定めるもののほか、国税に関する法律に基づき行われる処分その他公権力の行使に当たる行為(酒税法第二章(酒類の製造免許及び酒類の販売業免許等)の規定に基づくものを除く。)については、行政手続法第二章(申請に対する処分)(第八条(理由の提示)を除く。)及び第三章(不利益処分)(第十四条(不利益処分の理由の提示)を除く。)の規定は、適用しない。

白色申告者への更正処分や加算税賦課決定通知書にも理由附記の実施がされることになりました。

(調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針))
処分の理由の提示(理由附記)を行うに当たっては

処分の適正性を担保するとともに処分の理由を相手方に知らせて

「不服申立ての便宜を図る」との理由附記が求められる趣旨が確保されるよう

適切にこれを行う。

(理由の提示)
第八条 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
(不利益処分の理由の提示)
第十四条 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
2 行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。
3 不利益処分を書面でするときは、前二項の理由は、書面により示さなければならない。

まとめ

質問応答記録書に記載されたTさんの仮装隠蔽を認める供述をそのまま「処分の理由」に書いて重加算税の賦課決定通知はできません。

なんらかの具体的な記述をされていることでしょう。

課税処分する方も、重加算税を飲ませる代わりに譲歩した部分もあるでしょう。

なによりも、Tさんがステイタスを捨てて、異議申し立てや審査請求などしてこないことも見込んでいたでしょう。

しかし、理由附記は、厳格に「仮装隠蔽の事実」を記載して通知しなければなりません。