青色事業専従者給与

税務調査
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青色事業専従者給与

青色申告にする大きな効果の一つが、青色専従者給与です。

同居の家族が事業主の事業に専従した場合に、相応の給与を支払ったときに経費として認めますよ。支給を始めるときと支給額を変更するときには届出が必要です。

青色事業専従者給与に関する届出

青色専従者給与に関する届

提出する届は、これを一枚所轄税務署長へ出せばいいのですが、なかなか要件が面倒です。

この規定は、所得税法57条の規定なのですが、所得税法56条の例外規定としても位置付けであるためです。

所得税法の原則(頭の中)は、同居の親族への対価の支払いを認めていません。

https://tirdesk.com/347/

世帯単位課税に凝り固まっています。

認める要件は

この届出の裏に書かれています。

必要経費となる青色事業専従者給与額は、支給した給与の金額が次の状況等からみて相当とみとめられるもので、しかも、この届出書に記載した金額の範囲内のものに限られます。

  1.  専従者の労務に従事した期間、労務の性質及びその程度
  2.  あなたの事業に専従するほかの使用人の給与及び同種同規模の事業に専従する者の給与の状況
  3.  事業の種類・規模及び収益の状況

※ 青色事業専従者の要件とは、

1青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること、

2その年12月31日現在(専従者又は青色申告者が年の中途で死亡した場合には、それぞれ死亡当時)で年齢が15歳以上であること等です。

問題になるところ

高額な専従者給与はダメ

専従者給与の支給額が高すぎると言う指摘は、税務署が一番目をつけてくるところです。

高額な専従者給与を払う傾向がある職業は

医療機関です。

院長が男性で、奥様を事務長として、給与を支払う。

家族経営の医療機関ではよくある事例です。

だけど、

奥様に看護師の資格がなくて院内事務に事務長として従事と届出ても

他の従業員と同じように、毎日、事務に従事していないと

たちまち税務調査で槍玉に上がります。

まして、

自宅と診療所が離れていて、毎日出勤していないと、「従事の事実」を説明する必要が出てきます。

専従者給与を高く出来ないあるいは高くして否認されたことが不満で「法人成」する事例は少なくありません。

バッサリ否認

まずは、

「専従」しているかと言うところを付いてきます。

実働時間が足りないとう否認事例もあります。

このように、バッサリ切っても勝てると踏むと全額否認してきます。

高額給与を否認

専従していることは認めるが、高すぎるはどうなるでしょうか。

税務署が大好きな同規模同業者で算定します。

①同じ業種

②青色決算書を提出している

③調査対象者の売上規模を倍半基準で抽出する

調査対象者の売上が5,000万円なら2500万から1億円の同業者を抽出する。

④支配下法人を持っていない

⑤○○と言う専門の資格を有していない専従者が一人

⑥調査年分を通じて専従者給与の支払いがある

こういった基準で、自署管内、近隣署から抽出して金額を出します。

これで、勝てると踏むと更正してきます。

余談

あるとき

統括官から、事案の交付がわたしにありました。

超有名人の調査でした。

しかし、わたしは、統括官に事案を返しました。

やりたくないからです。

1ヶ月後

またまた、あの事案を着手してくれと、指令がきました。

どうしても、調査に着手する必要があると。

調査理由は

「1000万円を超える専従者給与」

毎年毎年選定しても誰も調査しない事案です。

いや、誰も調査したくない事案です。

わたしが調査したくない理由は、

他の費目の経費がめちゃめちゃ少な過ぎるからです。

人脈、知識、活動範囲などからどれだけの出費をしているかを考えると計上していない経費が山ほどあると想像できました。

しかも、税理士関与です。

非違が高額な専従者給与しかなくて、未計上の経費があったら、「是認」でもよいという統括官の言質を得て着手することになりました。

消費税の計算からみても

給与は課税取引になりませんから、消費税は多く払うことになります。

未計上の経費を認容すれば、消費税は減額更正する事案になります。

こうして

署長に「着手連絡せん」を提出することになりました。

調査結果は、わたしの想像どおりでした。

わたしは、会計事務所の作戦は正しいと思いました。

あの未計上の支払いを経費計上していたら、専従者否認か高額否認の調査になったと思います。

1000万払ったら、必ず調査に来る。

だったら、保険を掛けよう。

まとめ

同居の親族(妻や子供)に給与を支払うときは、「青色専従者給与に関する届」を出さないと経費にできない。

専従(もっぱら従事)していないと認めてくれない。

他に職業があって、一から二時間程度手伝って、バイト代としてのお金を払っても経費にできない。(もらった方の収入にもしませんが、贈与課税は普通しない。)

学生の子どもに夏休みなどにバイトしてもらっても経費にできない。

1000万以上払うと税務署に目をつけられる。