Tさんのこと
率直な感想。
だれがリークしたの?
公表するような事案じゃないでしょ。
どこが税務調査に入ったのか
一般に芸能人が、個人会社を設立は、どこにでもある話です。
普通に税務署所管の法人です。
国税局所管でないから、税務署が調査に入るのが普通でしょう。
3年間無申告の法人なんて山ほどある中で、常習だったらしいから、法人課税部門では、「お客さん」だったと思われる。だから、3年間泳がせていたんでしょ。3年まとまって調査した方が効率いいですから、税務署的には。
税務署の法人課税特別国税調査官部門か特調担当部門の上席調査官あたりが担当した事案でしょう。
普通に「事前通知」して着手したと思われます。
ぐちゃぐちゃで、申告できませんでした。
お世話かけます。
よろしくお願いします。
3年間の調査をした結果
上司の統括官(特別調査官)が調査担当に進捗をきいてます。
3期で1億2000万です。
これだと、調査対象前の申告所得金額が売上に対して低すぎるだろう。
調査年分を遡求できるか。検討してくれ。
調査対象年度を遡求
調査対象年度を遡ることになりました。
調査した直近3年に比べて、過去が低すぎるので調査することになりました。
お世話かけます。
あるもの全部預けますから、お願いします。
重加算税賦課
重加算税を賦課するためには、仮装隠避が要件です。
理論上は、無申告重加算税賦課もありますが、ほとんど見かけません。
7年遡求して調査するには、国税通則法第70条④でいうところの
「偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ」を見つける必要があります。
質問応答記録書
審理担当で検討した結果
重加算税賦課と7年遡求には、
「質問応答記録書」を作成し、証拠を固めることが必須だと。
Tさんに連絡して、面接する日時を決めます。
後日、Tさんは税務署の小部屋に呼ばれて、「質問応答記録書」の作成に応じることになりました。
「質問応答記録書」を作成することになりましたので、ご協力ください。
協力しますので、よろしくお願いします。
ごめんなさい。
きちんと税理士についてもらいます。
ご迷惑をおかけしました。
出来れば、青色申告を続けさせてください。
一生懸命納税します。
こちらに署名と押印をお願いします。
お疲れまさまでした。
局へ報告
まとまった増差所得、増差税額の事案は国税局に報告します。
東京国税局法人税課と査察に報告が入ります。
報告書を持って各部署を担当者と統括官が回ることもあります。
査察も査察事案になる規模でないことから、署で処理と決まります。
署長重要事案審議会
税務署の幹部が出席して、事案の審議を行い、課税処理を決めます。
担当者の調査結果を認め、速やかに、修正申告書、期限後申告書の提出を受けるように指示があります。
3年間の無申告については、無申告加算税賦課。
7年遡求の4年間については、重加算税賦課。
(2019/10/25/14:00)
報道によれば、会社設立以来期限内申告がなかったということですので、この重加算税は無申告重加算税になります。
まとめ
署長から指示を受けました。
ご説明した調査額で
4期分の修正申告書
3期分の期限後申告書をご提出していただくことになりました。
あと、加算税は、
4期分は(無申告の)重加算税賦課
3期分は無申告加算税賦課
です。
青色申告については、会社設立以来期限内申告がありませんでしたので、取消処分になります。
(取消を免れそうもありませんね。)
すぐに、提出します。
頑張って納税します。
お世話かけました。
こういう事案だっただろうと想像してみました。
終わり。
参考条文
国税通則法第70条④
4 次の各号に掲げる更正決定等は、第一項又は前項の規定にかかわらず、第一項各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、同項各号に定める期限又は日から七年を経過する日まで、することができる。一 偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税(当該国税に係る加算税及び過怠税を含む。)についての更正決定等
国税通則法
(重加算税)第六十八条 第六十五条第一項(過少申告加算税)の規定に該当する場合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。2 第六十六条第一項(無申告加算税)の規定に該当する場合(同項ただし書若しくは同条第七項の規定の適用がある場合又は納税申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき法定申告期限までに納税申告書を提出せず、又は法定申告期限後に納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、無申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る無申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の四十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。3 前条第一項の規定に該当する場合(同項ただし書又は同条第二項若しくは第三項の規定の適用がある場合を除く。)において、納税者が事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づきその国税をその法定納期限までに納付しなかつたときは、税務署長又は税関長は、当該納税者から、不納付加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る不納付加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を徴収する。
4 前三項の規定に該当する場合において、これらの規定に規定する税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されたものに基づき期限後申告書若しくは修正申告書の提出、更正若しくは第二十五条(決定)の規定による決定又は納税の告知(第三十六条第一項(納税の告知)の規定による納税の告知(同項第二号に係るものに限る。)をいう。以下この項において同じ。)若しくは納税の告知を受けることなくされた納付があつた日の前日から起算して五年前の日までの間に、その申告、更正若しくは決定又は告知若しくは納付に係る国税の属する税目について、無申告加算税等を課され、又は徴収されたことがあるときは、前三項の重加算税の額は、これらの規定にかかわらず、これらの規定により計算した金額に、これらの規定に規定する基礎となるべき税額に百分の十の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。