内観調査と外観調査

準備調査
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実地調査に入る前の段階の調査に「内観調査」と「外観調査」があります。すべての事案に内観調査や外観調査をすることはありません。必要があるものだけ行います。

内観調査

調査選定の段階で、すでに「内観調査」「外観調査」が済んでいることもありますし、調査選定されてから、「内観調査」する事案もたくさんあります。
内観調査は、実際にお金を払ってくるので、慎重に身バレしないように実施することになります。

内観調査とは

飲食店、特に検索サイトなどで上位ランキングのお店や行列のできるお店で、現金決済が通常であるお店の場合、その店内の店主や従事員数、お客の出入り状況、注文伝票や会計伝票の仕組みや現金管理の状況を観察するために実施します。
調査官数人で、お客を装って、出かけて行きます。様々な観察をして、お金を払って帰ります。
メモを取らないと覚えきれないため、スマフォがない時代は、スポーツ新聞の競馬予想記事の余白に書き込みしました。競馬記事に書き込みなら、書いていても不審に思われないからです。今はスマフォを触りながら、飲食しても不審に思われないため、詳細書けます。
領収証をもらう時もあるし、あえて貰わない時もあります。領収証を発行した伝票には、マークをしておき、領収証を発行しなかった伝票と区別がつくようにしておくなんてことは、現金商売のお店ではよくあることです。
多額の売上脱漏が見込まれる事案はほぼ100%内観調査をおこないます。(内観調査しない理由がない。)

どの段階で何回

昼のランチ売上の人数を事前に確認するときは、数日掛けて、数取りをおこなう

調査官数人で、時間交代しながら、数取りします。一人でやっていたら、おかしなことをしている背広着た奴がいると怪しまれます。

選定の段階で、内観調査抽出

調査選定の段階で、内観調査事案を抽出するのが通常です。

着手前日にも

着手前日に、担当者でない者による内観調査を実施することもある。
お札の番号を控えた諭吉を使用し、翌朝「現金監査」を行なって諭吉を確認する。売りだめ金の管理を質問し、現金の流れを把握して、確認します。
当たり前ですが、売りだめ金の保管場所は一ヶ所とは限らない。
かばん、リュック、金庫、寝室、車内やダッシュボード、神棚、仏壇など
あっさり目指す諭吉にめぐり合ったときでもがっかりしたりしません。
あって当たり前ですから。
なかったら、本気で悩みますし、なぜないのか、べつに隠し場所があるのか、追及が続きます。根気よく説得が続きます。

金利が低いからと預金引き出すときの限度額制限のためか、最近の傾向でしょうか。驚くほどの現金を自宅に保管しています。
現金監査とは

基本中の基本調査手法です。帳簿の現金と実際の現金残高を照合します。はじめは、朝の釣り銭のための現金とひと商売経過したレジの中の現金残高から始めます。現金商売にとって、現金管理は非常に重要です。税務署対策でなく、店主がいい加減だったら、バイトや従業員にすぐ見透かされて、いいように騙されてしまいます。したがって、店主はしっかりとしたルールを持って現金管理に臨んでます。合わないことはありません。不突合になる理由は知ってます。税務調査の基本でもありますが、商売の基本でもあります。

普段から見ています

税務職員も普通の人間ですから、お昼のランチや夜も友人と飲みに行ったりします。
外出したときにランチしたお店を観察し「資料せん」を作成する。むしろ、せっかく繁華街に出掛けるなら、あの店を見てこようと目論見ます。(もちろん自腹です。)
夜の友人との飲み会も同じです。
そうやって、入手した情報で、「資料せん」を作ります。こういったものは即座に使うということでなく、蓄積するということです。
私が、某署に勤務していたとき、帰り道を運動不足解消のため、数駅先まで歩くのを日課としていました。その道々に、「回らないお寿司屋」と「花屋」がありました。お寿司屋は、度々「貸切」表示がぶら下がりました。花屋は、度々「葬式」の供花作りを道路に並べて作ってました。ほぼほぼ、2年にわたり作成した資料せんの効果は店主の絶望の表情にあきらかでした

外観調査

外観調査とは

文字通り、お店の外観を観察にでかけるです。店内には入りません。お店の立地や周辺環境を見に行く。開店時間やランチの有無、昼休みの有無、定休日の確認。

google様のおかげで、外観調査を(私は、)やらなくなりました。

個人経営のお店もHPを持っているのが普通の時代になりました。

どんなお店かは、自分のスマフォでおおよそ確認できます。

スマフォやインターネットが普及していない時代は、実際に自転車に乗って見に行きました。

余談ですが、

税務職員が普段使用しているPCは、外部サイトには繋がっておりません。セキュリティーの観点から完全にクローズされた中での使用です。当然ながら、税務署の調査官が職務上に使うアドレスもありません。泥棒さんが、税務職員のPCを持ち出しても、何にもなりません。PC本体には、データは保存しません。全てサーバーの中です。単なる端末です。

インターネット用PCは、別にありますが、面倒なので、普通の検索は、ほぼ自分のスマフォを使います。検索資料をプリントする必要があるときインターネット用PCを使う感じです。インターネット用PCの履歴は全て管理されております。不正使用はすぐバレて捕まります。

まとめ

店HPは税務署は当然見ている。現金商売の人は、事前に内観調査をされていると考えて良い。なんかお行儀がいいけど、なんとなく目つきが鋭くて、初めて見るお客が来たら、警戒してもいいかもしれません。これから、消費税が上がることにより、ポイント還元とかいうことで、キャッシュレス決済が増加し、現金売上が少なくなるので、工作をするとバレます。現金管理は、商売の基本です。