税理士さんの勝ち(価値)

実地調査
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税理士さんの勝ち(価値)

いつも、いつも、税務署の成功話では、面白くないでしょう。

うまいことやり手の税理士さんにやられてしまいました案件です。

事案の選定

この事案は、新人の事案として、

①資料せんがあって修正申告がとれる

②青色申告で税理士関与

③建設関連業種で、そこそこ原始記録があって、現況調査ができて、照合する調査ができる

こんな感じで選定しました。

新人教育として

統括官事案交付→事前通知→実地調査→現況調査→帳簿調査→非違の発見・指摘→統括官復命→調査額の説明→統括官復命→修正申告の勧奨・提出→調査書の作成・決裁文書の作成→加算税決議作成

これを体験するための事案を選びました。

事前通知

税理士関与で、代理権限証書が添付されてます。当然、税理士に事前通知を新人がします。

税理士事務所は、所長税理士のほか、所属税理士が2名いる事務所でした。

担当者は、所属税理士でしたが、代理権限証書に記載があるのは、所長です。

法人の決算が立て込んでいるので、申し訳ないが、来月でお願いしたいと所長税理士さんが言ってきました。

新人の国税局の集合研修が月の頭に入ってて、翌月中旬のとか言って、結局2ヶ月余り先延ばしになってしまいました。

8月に事前通知したのに、10月中旬。

実地調査

調査先の自宅兼作業場に臨場しました。

調査先本人、青色専従者の奥様、所長税理士、担当税理士、新人、そしてわたし。6人が広くないキッチンのテーブルに集まりました。

概況聴取

ご商売の概況などの聞き取りから入りました。

ひととおり、聴き終わり、普段使っている帳票などの確認に入りました。

実は

実はと、所長税理士。

今朝、こちらに来る前に、所得税修正申告書と消費税の期限後申告書を電子送信しました。

これが、控といいますか、うちで調べた数字になります。

こちらが、確定申告時に把握していなかった帳面です。

これに基づき3ヵ年の帳簿を作成し直し修正申告しました。

「ん・・・・・・・」

この帳面ですが、探しても、それ以上古いのはありませんでした。

あと、生命保険金の申告漏れもありましたので、修正しました。

「あっそうですか」

さて、なにしましょう。

それでも、帳票記録の保存場所など現況の確認や銀行関係生命保険関係書類など保管状況を確認しました。

で、

原始記録は、大量にあるので、うちの事務所に保管して、帳簿にしました。

明日以降、事務所で場所を用意するからどうぞ’見てください。

調査終了?

この当時は、国税通則法が改正される前だったので、更正決定すべき事項を税務署が提示する前に行われた修正申告書に加算税賦課はできません。

調査に行ったのに、自主修正を先に出されてしまった。

平成29年1月1日以後に法定期限が到来するもの(平成28年分以後)については、調査の事前通知後にした場合は、50万円までは、5%、50万円を超える部分は、10%の割合を乗じた過少申告加算税がかかります。

この仕組みを使って、調査の事前通知を受けると時間稼ぎしながら即座に自主修正申告する先生が続出したのです。

そうです。新人の研修事案なのに、税理士先生お見事でした。

実際は

翌日以降に税理士事務所に行きました。結果、修正申告が過大になりました。つまり、減額更正する調査になりました。消費税も本則で期限後が出ましたが、ずーっと過去に、(先生の関与前に)簡易課税の届けがありました。減額更正です。

調査書もいきなり複雑怪奇な調査書と決議になりました。内部の審理上席だけでなく国税局の事務担当に決議書の記載の仕方や順序を確認することになりました。

展開によっては

確定申告時に提示していない帳簿があったわけですから、税理士が’早回りしていなかったならば、調査で把握したことになります。

展開によっては、重加算税賦課になったかもしれません。

まとめ

調査に慣れた税理士の見事な作戦勝ちです。

わたしは、税務署を辞めてから、税理士になった後、ご挨拶に行きました。

いまでは、友人です。

若手のバリバリの税理士です。

もちろん、ご希望があれば、喜んで紹介します。

ご連絡お待ちしております。