2020年秋の税務調査
2020年10月から税務調査が始まる。
コロナウイルスが心配される2020年は、実地調査を9月まで実施してきませんでした。
私は、2019年3月まで、税務職員でした。
退職し、税理士になったので、後輩の税務職員に接触することは禁止されてます。
したがって、取材して記載することはできません。
私が、今も、税務職員だったら、こういう事案を選んで調査をするだろうと思うことを書いてみます。
選定
現代の調査は、コロナウイルスにかかわらず、調査選定が非常に大事です。
貴重な調査日数を使って調査をすることになるのですから、是認にならない事案を選ぶ。
ましてや、この時期に実地調査をするのですから、真に、調査すべき事案を選びたい。
となると、
調べてみないと分からない事案にチャレンジはない。
国税庁のKSKの調査選定システムが打ち出してくる分析シートのポイントだけでは、選べませんね。
もっと、具体的に空振りしない事案。
銀行情報を収集済みで、たまりがわかっている
資産取得(高級車・別荘・海外資産)資料情報があって、申告事績からは、取得困難
FXや有価証券取引の利益を申告していない
事業以外の生命保険の満期一時金などの漏れがある
長期間無申告(消費税の申告義務もある者は特に)
コロナに影響を受けない業種(作家、大学教授、士業、IT 関連、フードデリバリー、通信販売、コンビニやスーパーなど)
徹底的に絞りに絞った事案を着手するでしょう。
↓こちらの記事も「稼げない調査はしない」
10月から12月まで
10月から調査着手して、12月までに、事案を終わりにする。
ですから、今から事前通知して、11月中旬までには、全事案着手。
基本的に無予告事案は、ないとは言えないけど、無予告事案の多い業種が、このコロナウイルスでかなり打撃を受けている業種(風俗・飲食関連)です。普通はないけど、絶対ではない。時効で逃げられるようなら、確実に重加算税取れる事案にはありえる。
したがって、11月の初旬までに、事前通知がなければ、来年4月以降でしょう。
短期集中型調査
税務調査を短期に集中して実施し、さらに、調査官もひさびさの調査で奮い立っているでしょう。
経験年数が豊富な職員は、重加算税を狙ってくることは間違いない。
重加算税には、質問応答記録書が不可欠です。
数をこなす調査は少ないとは単純に言えない。いや、資料せんだけをこなすチームとわけてくる作戦もあります。
税務署の現場は、経験年数の少ない若手職員と超経験年数が豊富な再任用職員(61歳から65歳まで)で構成されてます。
若い女性の声で事前通知があっても、ベテランが必ず付いてきます。
やっとこ事前通知してくる女性の声に油断してはいけません。
選定理由
さて、電話により、事前通知を受け、実地に伺いたいと言われます。
税目、調査年分も言われます。
どうして選ばれたかと聞いても
調査の目的は、「申告内容の確認」と定型的な答えです。
ほんとの理由は言いません。
ブツ探し
臨場調査では、ほんとの選定理由であるブツを探す現況調査が行われます。
簿外口座であれば、簿外口座の通帳を探しまくります。
金庫、カバンの中、寝室、タンス、車の中、神棚、仏壇。
探して探して、生理用品が出てくるなんてことは普通にあります。
子供が使う勉強机や本棚に裏帳やゲンナマなんてこともほんとにあるんです。
早期に終ろう
グダグダ調査着手を引き延ばすのはやめて、協力し、さっさと終わってもらって、帰ってもらうのが一番です。
この時期にやってくる調査ですから、税務署は絶対に近い自信があってやってくるのです。
臨場調査の初日に、「間違っているところや見たいところをざっくばらんにお話ししてください。」と言ってみましょう。
まとめ
このコロナウイルスの中、税務署は事案を選定し、やってきます。
それなりの確信を持ってきてます。
丁寧に話を聞いて、非違があるところは、認めて、さっさと調査を終了して貰いましょう。
煩わしい調査対応は、信頼できる税理士に対応を任せて、商売に専念することが大事です。
長引いて、信用を落としたり、自身の心身を痛めたりしたら、お金だけでなく、大損です。
私に相談したい方は、コメント欄より連絡をください。
私の事務所では、会議室を調査場所としてご利用いただけます。ご自宅や事務所に、税務署の方が見えて、三年分の帳票記録を広げて、ガサガサされることなく調査を受けることができます。